Funkotって?
Funkotとは、インドネシア発祥の高速ダンスミュージックの呼称です。
ドッタドッドタ、という独特なドラムパターン、ベースのリズム、180 BPMでのグルーヴ(クラブでプレイされる際はさらに高速!)で日本でも少なくない人々を魅了しています。
国内でも多数イベントが行われており、クラブで体感できる機会も多いはず!
Funkotってどんな音楽なの?って方はまず是非こちらを聴いてみてください。
※国内最古参トラックメイカーJMBS氏によるインドネシアのヒット曲「Asal Kau Bahagia」のリミックス。
Funkotの成り立ち
Funkot成立以前、94~96年にはインドネシアでは主にオランダ、イタリア、フランスの音楽がプレイされていました。
Funkotが生まれる以前にインドネシアでかかっていた曲のMix
これらの音楽はFunkotのルーツと言えます。
そんな曲たちに影響を受けつつ、1996年以降インドネシアのDJ達の手によりアップデートされ、1999年にFunkotというジャンルは誕生しました。
1999年頃、DJ YohanesというDJがスラバヤでFunkotをプレイし始めました。
その後、Jockie SaputraとTommy FansがDJとして台頭し(彼らはそれ以前はHouseやRaggaeのRemixerでした)、彼らはRemixerでもありましたが、当時のクラブでプレイされていた曲の85%はC2 House、Krazy Sandy、そしてGassanovの曲でした。
Funkot最初期の音源。基本的なグルーヴは完成しているが、現在よりもかなりハウシーでシックな印象。
その後、Abaz、 Ricky Kent、Yosep、そしてジャカルタのMillennium(かつてジャカルタに存在したクラブ)のDJたちがFunkotを製作し始めました。
その頃インドネシアに輸入されたTrance、Euro Danceなどの影響を受け、よりメロディックに変化していきます。
2001年頃のFunkot音源(作者不明)。House的なグルーヴとEuro Danceのわかりやすいシンセリフが混在しています。
ちなみにTommy FanzはRemixもしていましたが当時は殆どAbaz(後のCyberDJ™)の曲をプレイしていたそうです。
スラバヤの地で誕生し、ジャカルタのDJによってプレイされたことにより各地に広まっていったFunkot。
こちらはFunkot黎明期のトラックを含有したミックステープです。
BPMもまだ遅く、近代のFunkotからは想像もつかないという方も多いと思います。
※DJ Nicko曰く、このミックステープの曲は実際には若干タイトルに反し2001-2002年前後の曲が多いようです。しかしFunkot黎明期の雰囲気は感じ取ってもらえると思います。
ちなみに、2000年代初頭のDJ達はEuro Danceのトラックをベースにエディットを行いFunky Beat(いわゆるFunkotのビートのパート)を追加するなどの行為も行っていたそうです。そのためイントロが四つ打ちのトラックなども多々存在していたそう。
※こちらの動画ではかつてインドネシアのメダンに存在したクラブ「M3 Entertainmant」のレジテントDJであったApin17とDJ Nickoの対談によってFunkotの歴史が語られています。
英語字幕もあるので是非閲覧することをオススメします。
そして、ドラッグの影響を受けたFunkotは170、175、180とどんどん高速化の一途を辿ります。こちらは2006年頃の曲を中心にミックスした音源となりますが、大分早くなっているのがわかると思います。
こちらが2008年頃の曲中心のミックステープ
かなり現代のFunkotに近く、高速化していることがわかります。
というわけで、2001年頃から2008年頃にかけて現在の形のFunkotが確立していったのがお解りいただけたかと思います。
現代のFunkotは?
House、Euro Danceの影響を受けて確立していったFunkot。
現地では「Funkotはドラッグが無いと楽しめない!」という意見もあるそうで(筆者はそうは思いませんが)後述するBBに立場を奪われている現状もあるようですが、
それでも根強いファンに支えられ、毎日のように新曲がSoundCloudにアップロードされています。
また、様々なジャンルを多様な形で取り込みつつ、日々進化し続けています。
そんなFunkotは今どんなスタイルになっているのか、というのを少しご紹介していきたいと思います。
Armin Van Buuren - Blah Blah Blah [Liet] (VDP NRC Remix)
大ヒット曲かつPsy Tranceである原曲をFunkotに落とし込んだこの曲。
近代的な構造(Trapパート、Big Room KickでのFunky Beatなど)をしっかり押さえつつHardfunk(ミニマルでインストなトラック)に落とし込んだ珠玉の一曲。
4つ打ちパートやAcidの音がたまりません。
李袁傑 - 離人愁_[Yasuetti]_(aGas L3 REMIX)
中国語のヒット曲(マンダリン)のRemix。
Jersey ClubやFuture Bassなどの影響を大胆に取り入れた曲です。
それでいながらFunkot的な美しさを保っており、非常に完成度の高いトラックになっています。
個人的には現代Funkotの完成系の一つではないかと思っているほどです。
Seventeen - Kemarin _Aki (Willy L3 Remix)
インドネシアの津波で亡くなったバンドへの追悼で製作された、Seventeen - KemarinのRemixの一つ。
Trapパート、180 BPMでのPsy Tranceパートなど、最新Funkotのすべてが詰まっているといっても過言ではない一曲になっています。
Willy L3は現在のインドネシアではトップクラスの技術力を持っているといっても過言ではないのでFunkotの最新を知りたいのであれば是非フォローすることをおすすめいたします。
Willy L3 - Turn Up Dat Birds
こちらもWilly L3によるトラック。
「BPM遅いしFunkotじゃないじゃん!」と思われるかもしれませんが、これは曲の間にBPMが落ちる「Downbeat (db)」と呼ばれるスタイルです。
Downbeatで別のジャンルに変化する曲も多く(主にTrance、Hands Up、Hardstyleなど)、Funkotの曲のバリエーションを格段に豊かにしています。
Psy TranceやJungle Terrorなどの影響を受けたと思われますが、完全にやりたい放題です。
こうしたキメラ的なグルーヴが生まれるのもFunkotの面白いところだと思います。
FF - Taki Taki Baby _(bTo)
こちらは変わり種。普段はBB(BreakBeatの略。130 BPM程度の遅いFunkotのようなジャンル。現在のインドネシアのメインストリーム。)を製作しているFAHMY FAYによるFunkotトラック。
大ヒット曲「DJ Snake - Taki Taki ft. Selena Gomez, Ozuna, Cardi B」のRemixです。
昔ながらのFunkotのスタイルを踏襲しながらも独自のサウンディングに落とし込む技術力は流石と言ったところ。今後はBB勢のFunkotにも期待ですね。
Funkotをクラブで聴きたい!/入手したい!
ここまで読んでFunkotをクラブで聴きたい!と思った皆さん。
実は日本でもFunkotイベントは多数開催されております。
こちらのカレンダーにFunkotイベントがまとめられているので是非ご覧ください。
#ティッケー情報 カレンダーに来年3月までのティッケー情報が続々と集まっています!
— 【ティッケー情報】 (@funkot_info) 2019年5月8日
地域ごとにラベル分けされているためお住いの、または遊びに行く地域のFunkotパーティー情報が一目でわかって便利なので是非ご活用ください! #Funkothttps://t.co/sMBdIOWTEI pic.twitter.com/FYSjZlb8cQ
また、こちらは先述のJMBS氏によるFunkotの解説(音源の入手リンクなども載っています。)
Twitterでは
#FunkotタグにてFunkot情報を多くの方が発信していますので情報収集にはうってつけなのではないかと思います。
それでは今回はこの辺で・・・